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木と向き合う

本特集では、木の造形である木彫と、木版画を紹介します。
木彫は江戸時代まで日本彫刻の中心で、江戸期には非常に精緻なものとなりましたが、それらは近代化・西洋化の波とともに工芸的な「細工物・彫り物」へと変貌していきます。西洋化を目の当たりにした木彫家たちは、写実的な作風を求められますが、徐々に写実からの脱却を目指します。大正時代から昭和戦前期にかけては、写実的でありながら作家独特の表現を感じることができる作風へと変化します。そして現在に至るまでのあいだに、表現主義的で自由な木の造形が制作されています。材質である木の良さやぬくもりを残しつつ形作られているこれらの作品は、時代を問わず、作家が木という材質と向き合った証でしょう。
また、木版画では棟方志功の作品を紹介しています。棟方は青森県に生まれ、上京して独学で絵を学び、白日会展、帝展などに出品します。また、民藝運動の中心人物であった柳宗悦らと交流を持ちます。昭和20年には富山県福光町に疎開し、そこで多くの作品を手がけています。棟方は昭和17年に出版された彼の随筆集『板散華』中で版画は「板画」の字を使うと宣言しています。版画については「板から生まれる板による画」との認識を示し、板画を使う理由としては「板の声を聞き、板の命を彫り起こす」志しを示すためと言われています。
木と向き合って完成された温かな造形作品・木版画をお楽しみください。

日時

令和2年6月20日(土)~7月26日(日)

場所

石川県立美術館

料金

要観覧料

お問い合わせ

石川県立美術館
〒920-0963 石川県金沢市出羽町2-1
[電話番号] 076-231-7580
[FAX] 076-224-9550

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