いしかわ文化の日
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日本往生極楽記と一遍上人絵伝
前田育徳会展示室では、特別陳列として重要文化財《日本往生極楽記》と重要文化財《一遍上人絵伝》を紹介します。
極楽往生した人物の伝記を「往生記」といい、平安時代中期の儒学者・慶滋保胤(?~1002)による《日本往生極楽記》は、そのもっとも早い書物として知られています。取り上げられるのは聖徳太子にはじまり、行基・円仁・空也といった僧のほか、光孝天皇の孫の尼などの皇族や加賀国の婦女といった庶民など45人です。このような「往生記」は中国の浄土論に収められた往生伝に倣ったもので、保胤は自らも往生せんと、出家する直前にその日本版たる本書を記しました。本書成立の背景には、平安時代の浄土信仰の高まりがあり、当時の宗教と社会生活の関係がうかがえます。
《一遍上人絵伝》は、鎌倉時代中期の僧で時宗を開いた一遍(1239~89)の伝記絵巻です。説明文である詞書とそれを絵画化した場面から成り、全十二巻で構成されています。前田育徳会が所蔵するのはそのうち一、二、四と九から十二の七巻(白描含む)です。今回は、一、二、四巻を紹介します。
一遍が13歳で修業に出る場面に始まり、諸国を遊行した生涯が描き出されてます。信濃の善光寺、伊予の菅生寺の岩屋、摂津の天王寺などの名所を写実的に表現するとともに、当時の生活様式もうかがえる見所の多い絵巻です。
この機会にじっくりとご覧ください。
日時
- 令和2年7月31日(金)~8月30日(日)
場所
石川県立美術館
料金
要観覧料
リンク
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