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雪舟の《花鳥図屏風》と加賀藩の美術工芸

 前田育徳会展示室では、前田家が所蔵する代表的作品で、古くから「雪舟真筆に近い作品」と伝えられる《四季花鳥図屏風》をはじめ、加賀藩ゆかりの絵画工芸作品を紹介します。
 昭和2(1927)年、本作品について美術雑誌『國華』誌上で紹介したのが、大正から昭和初期の東京帝国大学教授で美術史家の瀧精一(1873~1945)です。「雪舟の最も長ずる所のものは山水であることは言う迄もないが、又その道釈人物と花鳥に於いても見るべきものがある」と触れ、中でも「最も優れて標準となすに足るものを求むるならば、我等は前田侯爵所蔵の六曲一雙四季花鳥図を推すことを躊躇しない」と述べています。
 極端に屈曲する樹木の中に花鳥を描き込んだ《四季花鳥図屏風》は、中国明代の画院画家呂紀(りょき)の花鳥画に影響を受けたと考えられ、豊かな装飾性と優れた描写力を兼ね備えています。「行年七十一雪舟筆」の署名は、後の時代に記されたと思われますが、瀧の紹介のあった昭和2年以降も、雑誌の雪舟特集や雪舟の展覧会においては欠かせない作品です。
 本特集では、その他第2展示室で開催中の「加賀藩における狩野派の絵師たち」にあわせ、狩野探幽《龍虎図》、探幽と子探雪の合作で五幅対《漢五傑像》、梅田九栄《鷹狩図絵巻》より夏の景も紹介します。清水九兵衛《真鳥羽入箪笥》や二代五十嵐道甫《黒塗布目引出絵替絵具箪笥》など、加賀蒔絵の作品とあわせてご鑑賞ください。

日時

令和3年4月18日(日) ~令和3年5月23日(日)

場所

前田育徳会尊經閣文庫分館

料金

要観覧料

お問い合わせ

石川県立美術館
〒920-0963 石川県金沢市出羽町2-1
[電話番号] 076-231-7580
[FAX] 076-224-9550
[Mail] ishibi@pref.ishikawa.lg.jp

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