豊かないしかわの文化
多彩ないしかわの文化資源
オーケストラ・アンサンブル金沢
昭和63(1988)年、岩城宏之が創設音楽監督を務め、多くの外国人を含む40名からなる日本最初のプロの室内オーケストラとして石川県と金沢市により設立されました。
石川県立音楽堂を本拠地として、定期公演、海外公演など年間約100公演を行っており、設立時よりコンポーザー・イン・レジデンス(現コンポーザー・オブ・ザ・イヤー)制を実施しています。ジュニアの指導、邦楽との共同制作など育成・普及活動にも積極的に取り組んでおり、これまでに、メジャーレーベルより90枚を超えるCDを発売しています。
2022年9月より、広上淳一をアーティスティック・リーダーに迎え、新たな活動を展開しています。
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加賀宝生かがほうしょう
加賀藩の能の繁栄は、桃山時代の藩祖前田利家に端を発します。利家は金春流観世流の大夫から稽古を受け、また宝生大夫を陣中に随伴するなど深く能に傾倒しました。
五代藩主綱紀は、宝生太夫将監友春に深く学び、金春流の竹田権兵衛以外の役者に宝生流への改流を命じました。加賀藩では、能を愛好する藩主が続き幕末まで能役者を手厚く保護しました。
その一方で、細工所の職人たちにも能楽の一部を兼芸させ、教養を高めさせると同時に能の人材として育成し、また、領民たちにも奨励したため、世に「加賀宝生」といわれるほどの能楽の盛んな土地がらとなって現在にいたっています。
金沢の茶屋文化
金沢の茶屋街の歴史は古く、文政3(1820)年に加賀藩の許可を得て、正式に茶屋街の町割りがされたと言われています。現在は東山地区の「ひがし」、野町地区の「にし」、浅野川大橋下流の「主計町(かずえまち)」の3つの茶屋街が残っています。いずれの茶屋街も出格子に石畳の風情ある町並みが美しく、「ひがし」「主計町」は国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。このような風情ある町並みの中で芸妓を中心とした金沢の茶屋文化が培われてきました。
芸妓は日々「立ち方(踊り)」「鳴りもの(お囃子)」「地方(三味線と唄)」などの稽古に精進し、その格調高い至芸と細やかなおもてなしは、国内外から高く評価されています。
石川県の伝統的工芸品
国指定10品目
県指定6品目
その他稀少20品目
大樋焼/加賀竿/加賀獅子頭/加賀象嵌(ぞうがん)/加賀提灯/加賀水引細工/金沢表具/金沢和傘
郷土玩具/琴/三弦(さんげん)/太鼓/竹細工/茶の湯釜/鶴来打刃物/手捺染型彫刻(てなっせんかたちょうこく)
銅鑼(どら)/七尾和ろうそく/能登上布/能登花火
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- 石川県立伝統産業工芸館
専門的な研修所における伝統工芸の人材育成
石川県では伝統工芸を担う人材の育成・確保に向け、輪島漆芸技術研修所(昭和47年設立)、九谷焼技術研修所(昭和59年設立)、山中漆器産業技術センター(平成9年設立)において技術者の養成に取り組んでいます。いずれの施設でも人間国宝を含む一流の講師陣による講義や実技などのきめ細かいカリキュラムが実践され、これまでに3施設で2,000人を超える卒業生・修了生を輩出しています。
輪島漆芸技術研修所では、そ地(木工)、きゅう漆(漆塗)、蒔絵、沈金について学ぶ普通研修課程(3ヵ年)のほか、未経験者を対象とした2ヵ年の研修課程もあります。九谷焼技術研修所では、成形から上絵までの陶芸技術のほかデザイン・マーケティングなどの講座を設け、産業界にも対応できる技術者を養成しています。また、山中漆器産業技術センターでは全国で唯一「挽物轆轤(ひきものろくろ)技術」を専門的に学べる施設として、轆轤挽(ろくろひ)きや加飾挽(かしょくび)きなど木工技術の体得を図っています。